日々

日常の癒されたこと、楽しかったことのメモ

#12 ある日々は別の日々を引っ張り出す

職場で私の属していたグループが解体し、
ほかのグループと組み合わさった。
これまでのメンバーが気に入っていたのでショックだった。
でも心配はいらないだろう。
今は不自然に思えるいびつな体制でも
そのうち慣れて
また新しい思い出が染み込んでゆくはずだ。
 
 
つぎの断片の主人公は、生体構造の研究に魅せられた女性。
害虫駆除薬の開発にたずさわっている。
彼女は、むかし住んでいた街を訪れる。
かつて愛した男性を安楽死させるために。
 
人が若いころの場所を訪れたがるのはどうしてだろう。
彼女は考える。
彼らが望んでいるのは、
過去と未来を一枚の平面につなぎ合わさることかもしれない。
そういえば、時間は直線的な流れではないという話を耳にしたことがある。
1年前の自分も3年前の自分も
同じ自分として現在も存在している、
というような話だった気がする。
 
確かに、ある日々は別の日々を引っ張り出す。
初めに見つかるのは、たった一本の骨だとする。
でもじきに、近辺の砂が払われて、別の骨が見つかる。
そのようにして骨格全体が紡がれる。
やがて構造のまるごとが明るみに出る。
どの骨も関連して機能して、
普遍的な自分を形作っているものなのだ。
 
現在の自分を変えることは、
未来を変えるのみならず
過去の自分も変えられるということかもしれない。